当院の概要、特色
当院の概要、特色・OVERVIEW

地域医療の魅力、やりがいとは?地域医療の魅力、やりがいとは?

院長ごあいさつ

地域医療とは、地域というひとつの枠組みのなかで、住民の医療ニーズに対して医療者が何を提供できるのかを考えることであり、地域特性によってすべきことは大きく変わってきます。少子高齢化を先取りし将来の日本像に近い離島の医療は、地域医療の最前線であり、ここで成功した医療は日本のモデルになると言えます。

地域医療では、住民のニーズ、市や町の行政、医療者の意見をうまくかみ合わせることが重要ですが、閉鎖的で人間関係が濃厚な離島では、自然と人間関係が構築しやすく、お互いが理解しやすい環境にあります。医療者のやりたい医療も容易に実践でき、保健・福祉に取り組むことが医療によい効果をもたらす感覚も実感しやすいと言えます。また、疾病の予防・早期発見に努め、元気な老人を増やせば、医療費が抑えられるといった効果も比較的短期間に現れてきます。

このように医療・保健・福祉を達成でき易い環境があること、達成したことに対して地域の社会的評価を得られること、そしてそれが社会貢献になるという手ごたえを感じられること、これこそが地域医療の魅力であり、やりがいであると考えています。

院長 八坂貴宏

数字で見る長崎上五島病院数字で見る長崎上五島病院

延外来患者数 延入院患者数
手術件数 内視鏡検査数 エコー検査数 分娩数
訪問看護件数 訪問患者数 健康診断数

当院は、長崎県五島列島北部、中通島のほぼ中央に位置する長崎県病院企業団に属する総合病院です。昭和35年11月に上五島町立国民健康保険診療所として開設され、昭和40年7月に町立上五島病院となり、昭和43年4月長崎県離島医療圏組合設立により同組合上五島病院として発足しました。平成21年4月「長崎県病院企業団」が設立され、「長崎県上五島病院」となりました。また、平成21年11月、近隣の有川病院が当院付属の無床診療所「有川医療センター」に、平成23年4月南部の奈良尾病院が当院付属の無床診療所「奈良尾医療センター」になり、現在共同で運営を行っています。

診療科は、内科、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、腎臓内科、神経内科、外科、整形外科、泌尿器科、小児科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、精神科、リハビリテーション科、放射線科、脳神経外科の計18科で、病床数は186床(一般病床132床、地域包括ケア病床44床、療養型病床6床、感染病床4床)です。救急告示病院、災害拠点病院、へき地医療拠点病院、基幹型臨床研修病院、第2種感染症指定医療機関であり、近年の診療実績は、延外来患者数120,345人(1日平均493人)、延入院患者数51,254人(1日平140人)でした。

当院は、「地域と共に歩み、信頼され親しまれる病院」を基本理念に、3つの行動目標「地域住民の信頼と満足の得られる医療を提供します」「医療・看護・介護・予防・生活支援が一体化した地域包括ケアシステムを構築します」「病院機能を充実するため、人材育成とチーム医療を実践します」を掲げ、基幹病院としていわゆる地域包括ケアの中心を担っており、以下のような特色があります。

上五島病院の特色上五島病院の特色

1.地域医療の提供、専門医療の提供、医療連携1.地域医療の提供、専門医療の提供、医療連携

地域医療の提供、専門医療の提供、医療連携

へき地医療拠点病院として、また患者さんのニーズによって、各科とも1次~2.5次の医療を展開しています。 外来診療は、電子カルテのもと再診外来はほぼ全例予約制となっており、待ち時間の短縮に努めています。

当院では、1医局制で初期医療については全科で対応するようになっており、重症の患者が入院となると数科の医者が集まって診断、治療に当たる事となっています。

神経内科、腎臓内科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科、精神科は大学病院、あるいは本土病院からの派遣で診療を行っています。消化器疾患については、内視鏡的治療、マイクロ波凝固療法、ラジオ波焼灼療法、IVR、外科手術など、高度な医療を導入し良好な成績を収めています。循環器疾患については、平成28年度から心臓血管造影室を設置し、虚血性心疾患に対するPCI(心臓カテーテル治療)を行っています。また、呼吸器疾患は、気管支鏡検査やCTガイド下肺生検を行い、症例に応じて外科的治療も行っています。脳神経外科や心臓血管外科、核医学検査や放射線治療は、当院では設備、専門医を有していないため、本土病院と連携し、迅速な患者紹介・搬送に努めています。 本土との医療連携関しては、あじさいネット(長崎医療情報ネットワーク)の情報提供病院にもなっており、基幹病院から地域の診療所や医療関連施設に必要とされる医療情報を公開して、診療所には定期的に医師を派遣して診療応援を行っています。

2.地域救急医療の展開2.地域救急医療の展開

地域救急医療の展開

当院が救急基幹病院として救急車搬送全てのファーストコールを受け、適切な病院前救急の対応、搬送を行っています。当院の時間外救急は医師1名、看護師1名で行い、1次救急に関しては1人の医師で、2次救急は各診療科1名ずつの拘束、オンコール体制で対応しています。検査、放射線なども拘束、オンコール体制をとっています。また、地域救急の連携体制の強化のため平成13年に上五島救急医療協議会を設置(平成15年上五島地域MC協議会へ改変)し、救急救命士の教育や事後検証、地域での初期救急に関する啓蒙活動にも積極的に取り組んでいます。

<ヘリコプター搬送>

3次救急については、画像伝送システムとヘリコプター搬送を導入しています。当院で対応できない脳神経外科疾患や心臓血管疾患などの患者が発生した場合、画像伝送システムで長崎大学病院や国立病院機構長崎医療センターにDICOM画像を送り、専門医と相談して治療方針や患者搬送の適応を決定します。搬送の必要がある場合には、海上自衛隊や県防災ヘリ、ドクターヘリで、本土専門病院へ患者搬送を行ないます。近年では、47件(自衛隊ヘリ21件、ドクターヘリ26件)のヘリコプター搬送を行ないました。

3.一括健診3.一括健診

一括健診

一般的健診は「特定健診」と「各種がん検診」が日を変えて行われていますが、それでは業務が煩雑で、住民の負担も増え、受診率が上がらない、さらにデータの管理もばらばらといった問題を抱えていました。そこで、当院では半日で検診すべてを終わらせる一括健診(個別健診)というシステムを平成10年に導入しました。40歳以上の国民健康保険の加入者を対象に、予約制で8時30分に当院に来院し、基本健診(採血,検尿,診察,腹部エコーなど)、大腸がん検診(便潜血)、胃がん検診(内視鏡検査)、肺がん検診(胸部レントゲンあるいは胸部レントゲンと喀痰細胞診、希望者は胸部ヘリカルCT)、子宮がん検診、乳がん検診(エコー、マンモグラフィー)、骨粗しょう症検診を一括して実施するもので、12時までにはすべての検査、診察を終わらせることができます。

近年、国保の特定健診の受診率は41%くらいであり、更なる受診率向上に向けて取り組んでいます。

<精密検査>

結果は2~4週間で判定し、精密検査が必要な場合には紹介状を発行、事後指導等を行います。多くの生活習慣病や早期がんが発見され、良好な予後をもたらすことがデータとしても示されています。

4.療養型病床と訪問看護ステーション、地域リハビリテーション4.療養型病床と訪問看護ステーション、地域リハビリテーション

療養型病床と訪問看護ステーション、地域リハビリテーション

地域高齢者の疾病管理や健康増進をはかるため、平成3年度から院外活動班を組織し活動しています。平成12年には訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所を併設。平成13年地域リハビリテーション広域支援センター設置。平成16年療養型病床を設置し、急性期疾患の治療から、リハビリ、慢性期の治療、社会復帰応援など高齢患者さんの疾病治療、健康管理に病院全体で対応しています。 平成28年からは、地域包括ケア病床も設置し、退院に向けてのリハビリテーションも強化しました。

訪問看護、訪問診療については、24時間対応としており、在宅酸素、在宅呼吸器療法や癌末期患者の在宅緩和ケアも行っています。

5.地域医療情報システム、地域医療ネットワーク5.地域医療情報システム、地域医療ネットワーク

当院では平成5年にオーダリングシステムを導入、その後画像ファイリングシステム、心電図システム、看護支援システムを順次整備し、平成16年2月に電子カルテ(NEC、Mega-Ork)を導入しました。医療の標準化、効率化、患者サービスの向上を図るとともに、地域医療ネットワークを構築して当院を中核とした上五島圏域での医療、保健、福祉機関の連携を進めています。テレビ会議システムを利用した動画によるWeb講演会の開催、あじさいネットによる本土基幹病院の電子カルテ参照などの遠隔医療も積極的に行っています。

6.地域疫学研究、医療スタッフ教育研修6.地域疫学研究、医療スタッフ教育研修

臨床において医療の実践と研究活動は両輪であると考え、地域における疫学研究、学会活動を行っています。上五島地域は、厚生労働省の生活習慣病に関するコホート研究のフィールドとなっており、脳卒中、心臓病、癌患者のデータベース化や症例の追跡調査に協力しています。また、内科は慢性肝疾患(B型・C型肝炎、肝硬変)、肝臓癌、HTLV-I(成人T細胞白血病:ATLウイルス)関連疾患、外科は肝内結石症、肝臓癌、胆道癌の臨床疫学研究を進めています。
また年に計約20回の学会発表を行い、研究成果、治療成績を報告しています。医療スタッフの教育については、将来の地域医療を担う医学生や看護学生の病院実習、臨床研修医の地域医療研修、離島医療研修を積極的に受け入れています。

7.離島医療の最前線-「長崎離島医療搬送システム」7.離島医療の最前線-「長崎離島医療搬送システム」

「長崎離島医師搬送システム」とは長崎県の離島医療に派遣される医師をヘリコプターで搬送する事業です。この「長崎離島医師搬送システム」では、本土~離島間の移動時間短縮のため、ヘリコプターによる移動手段を提供。時間を気にせずより多くの時間を診察に使うことが可能になりました。当院ではこのシステムを利用し、臨床研修医もヘリコプターに同乗し、離島医療の最前線に取り組んでいます。

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